飲食店は立地が命

昔、よく通いなれた小路にとても美味しい肉まん屋さんがありました。
とにかくいつも作りたてで、寒い冬などには必ず足を止めてその肉まんを食したものでした。

お世辞にも広い敷地とは言えない、わずか畳二畳ほどのお店でしたが、
気立てのよい店主は、

「もう今日は、お客も少ないし店じまいするからオマケしとくよ!」と気前良く
サービスしてくれたりもしました。

そんなある日、久しぶりにその小路を歩いているといつものあの肉まん屋さんが
閉店の貼り紙を掲げていました。

とても寂しい気持ちになりましたが、貼り紙を読み進むとなんと駅前に移転したとの事。
閉店してはいなかったのです!
逸る気持ちを抑えながら、そこからさほど距離の無い駅前のその新店舗に行って見ました。

そこには信じられない光景がありました。
列を成して並ぶ人達、その先には満面の笑みで接客しているあの店主の姿がありました。

なぜかとても嬉しくなって、足早に駆け寄り肉まんを買おうと列に並びました。
順番が来て、挨拶をすると顔を覚えていてくれてた店主が更に満面の笑みを見せてくれました。

私「いつの間にか、移転したんですね。でも凄い繁盛しててビックリしましたよ!」
店主「そうなんだよね、あの裏地では商売もサッパリだったんだけどね、駅前はやっぱり違うよ。」

後からの客の波に押されてそれ以上の会話は出来なかったのですが、身内のように安心しました。
味はとても絶品で、店主の人柄も良い。
なのにどうしてか客足に恵まれなかったのは、場所だったんだと確信しました。

それから一年、引っ越してその店には行かなくなりましたが、地域のグルメ雑誌に
しっかりと載っていて、今でもあのお店は健在なんだと分かりました。

どんなに味が良くても、人の目に付くのと付かないのとでは雲泥の差が出ると思います。
飲食店に共通して言える事は、「立地が命」だと言う事。考えさせられた体験でした。

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カテゴリー:コラム

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