お客志向の飲食店経営
飲食店経営に役に立つノウハウを紹介しています。このページはお客目線の飲食店経営の重要性についてまとめます。
他業界で実践されているお客志向を参考に、飲食店で応用できるお客志向を考えます。
客観的にお店をみる
セールスという仕事において、業種・業界を問わず絶対に必要と言われるスキルがあります。それは商品知識です。商品知識は物を販売する上で間違いなく必要です。
そして、単に商品知識というより顧客の立場から見た商品をどれだけ把握できているかという点も非常に重要です。
ある物販系の商社では、営業職の社員に徹底的に自社で取り扱う商品を使用させるという経営方針を採用しています。しかも、一度や二度の使用ではなく常日頃から一貫して使用し、その良さを理解しファンになるまで使うというほどの力の入れようです。それだけ自社の商品を使用者の立場から知るという事が重要視されている訳です。
商品を知る事が重要なのは、実は営業職だけに限りません。事業全体で見ても同じ事が言えます。
飲食店で考えるなら、自分のお店がお客からどう見られているかを知る(アンケートや聞き取りではなく)手段は、お客と同じように入店し、同じように案内され、同じように商品を選び、注文し、食べてみて、お金を払うまで一連の流れを体感しなくては同じ目線で自店を見るとは言えません。
お客目線で自店が見えなければ、提供者としてのずれた目線で物事を考える事になり有意義な改善活動は行えないでしょう。
自店を利用するという活動を実践するとなると、互いに気が知れた関係なので部分的にサービスや対応を省力しがちですが、あくまで意識的に顧客と同じ状況を演出しなくてはいけません。
自店を徹底して客観的に見ている飲食店関係者はそう多くないと思います。しかし、このような取り組みも怠らずに続け繁盛店を築いている方もいるのです。実践してみて初めて気づく不便な点や店内の汚れ、雰囲気、物足りなさなどの盲点を発見することができるでしょう。
ただし、一度や二度実践したからといって全てに気づけるほど簡単では話ではありません。繰り返し、定期的に実践することで、客観的に自店を見る目が養われるのだと思います。
お客志向のチェックポイント
- 商品(飲食店では料理やサービス)のメリット・特徴はあくまでお客目線で把握しなくてはいけない。
- 販売力のある企業では、「お客志向」が社内文化の域にまで達している。
- 飲食店でのお客志向の実践は、お客目線で物事を見るように徹底した経営改善が必要である。
- お客志向・お客目線は継続が必要な行為である。
看板メニューの利用方法
看板メニューには以下のような特徴があります。
- 集客効果がある(口コミを狙える)
- 調理・提供に慣れるため時間的、費用的なロスが少ない
- リピーターを獲得できる(お店の印象が残りやすい)
- 販売量の予測がしやすく品切れや廃棄などのロスが少ない
- 元々赤字覚悟の商品でもない限り、基本的には利益率が高い
利益率の低い看板メニューだけしかなければ、今後利益率の高い看板メニューを創り出すべきです。
印象を大切にする
このページでは、飲食店の印象の重要性についてまとめています。
廃業に追い込まれる飲食店はつまり、残念ながらお客にとって利用する価値が薄いお店です。原因は様々ですが、あえてそのお店を選ぶ必要があまりないという事かもしれません。
一つには、特徴そのものがなかったり、せっかくの特徴が薄かったり(競合店に同じ特徴が強いお店がある)することもあるでしょう。お客から見て「どのシチュエーションで使えばいいの?」という印象を残していたら、再来店してもらえる可能性は低くなります。
サービス面の工夫だけではありません。料理にしても同じです。
お店の売りは、総合的な品揃えが特徴なのか、何も考えずに用意したら煩雑なメニュー構成になったのかでは全く受け手(お客側)の印象は違います。「品揃えが豊富」というのも、もちろん良いコンセプトの一つです。しかし、それを経営の強みとするなら徹底的に価値のある品揃えを磨き上げていかなくてはいけません。
逆にメニューを絞るのもよくある方法です。この地域で「うなぎ」ならココ!「すき焼き」ならココ!というようなイメージを与えることができるからです。
お客がお店選びをする時に、使いようがあるかないか…その視点で考えることで、盲点を見つけることができるのではないでしょうか。そして長期的な集客につながります。
そして、盲点が見つからないなら本気でお客様の声に耳を傾けて欲しいと思います。徹底的に情報を集め、吟味して足らないものは何なのか、常に検討しなくては長期的なお店の発展は望めないのではないでしょうか。
【飲食店の印象に関するまとめ】
- 飲食店の印象やイメージを覚えていなければ、利用する場面が想像できない。
- 利用する場面が想像できなければ、同じ飲食店は使わない。
- コンセプト選びは印象に残るがどうかで考えるの一つの手段である。