飲食店経営に必要なセールス・マーケティング
営業職としての成功談、マニュアル本などを読むたびに感じることがあります。それは当該する内容が“セールス”ではなく“マーケティング”だということです。
マーケティングを理解しているかそうでないかに限らず、とにかく成功している大半の営業職の方は大なり小なりマーケティングを実践しているのです。具体的にどういう事か書かせてもらいます。
定義から入るとかえって話しが複雑になりますので、あくまで主観的な内容であるとご理解・ご容赦下さい。
セールスは売り込みの手段そのものです。今回、いかに買って頂くか!ということです。どれだけ押して、あるいは引いて相手をその気に(買う気に)させるかが勝負といったところでしょうか。
売り込むためにはセールストークや訪問回数、人として好いてもらえるかどうかも大切な要素になるでしょう。また、誠実であることや信用を得ることもセールスの大きな要素かもしれません。
社内の役割という面から説明するなら、既に構築された販売するための仕組み(商品があり、商品の宣伝・広告が出され、どこに営業に行けば良いかまで明確な指示がある状態)を使って最後の詰めのコミュニケーションを行う仕事がセールスという言い方もできなくもありません。
実際、そこまで仕事がガチガチに固められた営業職も少なくないかもしれません。
では、マーケティングはどうでしょうか。マーケティングを簡易的に説明する際によく使われる表現は「売れる仕組みづくり」です。
つまりセールスを行わずとも、あるいは軽減させても売れるように計画して実践するのがマーケティングのイメージです。具体的に何を計画・実践するのかというと、「商品(コンセプト)」そのものであったり、「価格」や「伝えるための手段」、「届けるための手段・環境」であったりします。
商社に勤める営業職Aさんの例
Aさんは数ある販売商品の中で、仮にD型、E型と呼ばれる製品の販売が得意だとします。
Aさんは、D型、E型がどのような顧客に好まれ、そしてその顧客がどのような問題意識を持っており、どのような情報を欲しているかを社内の誰よりも把握しています。つまりAさんは、商品を製作してはいませんが、売り手と買い手の商品コンセプトを理解し、コンセプトを創りだし「伝えるための手段」にオリジナリティーを加えた独自の売る仕組みを持っています。
この「売る仕組み」は業種や人それぞれですが、オリジナル情報の発信であったり、定期的なフォロー活動(メンテナンス活動であったり)、長期間の購買を喚起するような価格設定であったり多岐に渡るのですが。
方法は星の数ほどあるにしても、「売れる仕組みづくり」を計画し、実践していきます。実践とは、その場限りの活動ではなく、種を撒き、種を撒き、種を撒き、やがて収穫の秋を迎えるかの如く包括的というか総合的というか、プロセスを意識した活動なのです。
成果を出すためには
営業は「セールス」と「マーケティング」を両輪でまわしていかなければ、大きな成果は望めません。
「セールス」は情やマメさなど、人間味の強い活動であるのに対して、「マーケティング」は知的生産物という一種学問的な雰囲気がありますので、二つの活動を同時にこなすというのは、なかなか簡単にできることではないかもしれません。
しかし、二つの活動は物事を販売するという活動において、切り離して考えるべき事柄ではないように思います。どれだけ活動を任せるか、役割分担するかは様々にしろ、二つのどちらの考え方も理解しておく必要があります。
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